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あっとすくーる
2026.6.7
「選べること」が、当たり前ではなかった。——ある受験相談で気づいたこと。

良かれと思っていた

ある日、高校3年生の生徒から大学受験について相談を受けました。

 

その生徒は、私が通う大学を志望していました。

 

担当の生徒ではありませんでしたが、自分の経験が少しでも参考になればと思い、話を聞いていました。

 

私は大学受験の際、公募推薦と一般入試の両方を利用し、複数の大学を受験しました。

 

そのため、

 

「公募推薦も受けてみたらどうかな」

 

「一般入試も何校か受けられると安心だよ」

 

そんな話を、ごく自然にしていました。

 

私自身がそうやって受験をしてきたので、それが普通だと思っていたのです。

 

 

 

 

その選択肢は、誰にでもあるわけじゃなかった

しかし、その生徒が置かれている状況は、私が想像していたものとは違いました。

 

家庭の経済的な事情から、公募推薦を受験することは難しい。

 

一般入試で受験できる大学数にも限りがある。

 

私にとって当たり前だった選択肢は、その生徒にとって簡単に選べるものではありませんでした。

 

受験校を増やして合格の可能性を広げること。

 

推薦入試に挑戦してチャンスを増やすこと。

 

私が何気なく話していたことは、決して誰にでもできることではなかったのです。

 

その生徒は、本番の一般入試で、

 

合格の可能性を優先するのか。

 

それとも、本当に行きたい大学に挑戦するのか。

 

大きな決断を迫られていました。

 

そこで初めて私は、自分がどれだけ自分自身の経験を基準に物事を見ていたのかに気づかされました。

 

 

 

 

無力さを感じた

もちろん、その生徒の力になりたいという気持ちはありました。

 

勉強の相談に乗ることもできる。

 

受験について話をすることもできる。

 

でも、その生徒が抱えている現実そのものを変えることはできませんでした。

 

私はそれまで、「頑張るかどうか」が受験の分かれ道だと思っていました。

 

けれど実際には、「頑張りたいのに選べない」という状況がありました。

 

受験校を増やした方がいい。

 

挑戦できるなら挑戦した方がいい。

 

そう思っていても、その前には経済的な事情という大きな壁がある。

 

目の前の生徒が悩んでいる理由を、本当の意味では理解できていなかったのかもしれません。

 

「もっとできることがあったのではないか」

 

そう考えても、その答えは今でもわかりません。

 

ただ、自分が見えている世界だけを基準に子どもたちを見てはいけない。

 

そのことを強く感じた出来事でした。

 

 

 

 

合格の知らせ

その後、その生徒は受験を乗り越え、志望校に合格しました。

 

合格の知らせを聞いた時は、本当に嬉しかったことを覚えています。

 

自分が通っている大学だったこともあり、なおさらでした。

 

もちろん、その結果は本人の努力があってこそのものです。

 

それでも、受験について話をした時間や、相談に乗ったことが少しでも力になっていたのだとしたら嬉しい。

 

そう思える出来事でした。

 

 

 

 

支援は、背景を知ることから始まる

その後も活動を続ける中で、別の生徒の奨学金申請書の作成を手伝ったり、家庭での過ごし方について話を聞いたりする機会がありました。

 

そうした経験を重ねる中で感じたのは、子どもたちが抱える課題は、勉強だけではないということです。

 

家庭環境。

 

経済状況。

 

人間関係。

 

将来への不安。

 

同じ「進学したい」という言葉の背景にも、一人ひとり違う現実があります。

 

だからこそ、目の前の結果や行動だけを見るのではなく、その子がどんな状況の中で生活しているのかを知ろうとすること。

 

それが支援の出発点なのだと思います。

 

 

 

 

【私たちが大切にしていること】

〇 自分の「当たり前」を基準にしない

 

子どもたちは、それぞれ異なる環境で生活しています。

 

自分にとって当たり前のことが、その子にとっても当たり前とは限りません。

 

だからこそ私たちは、まず相手を知ることを大切にしています。

 

〇 背景に目を向ける

 

目の前の行動や結果だけでは見えないものがあります。

 

家庭環境や経済状況、人間関係など、その子の背景を理解しようとすることが支援の第一歩だと考えています。

 

〇 勉強だけでは終わらない支援

 

進路の悩みや将来への不安。

 

子どもたちが抱える課題は、勉強だけではありません。

 

だからこそ私たちは、学習支援だけでなく、その子が安心して相談できる存在でありたいと考えています。

 

 

保護者の皆様へ

 

子どもたちの言葉や行動の背景には、大人からは見えない事情があることがあります。

 

「あの子はどうしてそう考えたのだろう」

 

そうした視点を持つことで、新しく見えてくるものがあるかもしれません。

 

あっとすくーるでは、勉強だけでなく、お子さん一人ひとりの状況や思いにも目を向けながら関わっています。

 

お子さんが安心して前に進めるよう、これからも寄り添い続けます。

 

 

 

ご寄付をご検討の皆様へ

 

皆様のご支援によって、子どもたちは学習支援だけでなく、進路や将来について相談できる環境を得ることができています。

 

子どもたちが抱える課題は、学力だけではありません。

 

一人ひとり異なる背景があり、その状況に寄り添う大人の存在が必要です。

 

子どもたちが安心して未来を考えられる環境をつくるために。

 

これからも温かいご支援をよろしくお願いいたします。