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あっとすくーる
2026.7.28
【「ひとりに、とことん。」向き合い続けた1年間 #3「自分で未来を選び始めた日」】

今回も、前回に続いて、一人の生徒との関わりについてお話ししたいと思います。

 

長い間学校へ通えておらず、人と話すことも、自分の気持ちを表に出すことも少なかった一人の男の子。

 

毎週塾へ通うことから始まり、一緒に学校へ向かい、少しずつ自分に自信を持てるようになってきました。

 

そして今回は、その積み重ねが、「将来を選ぶ」という次の一歩につながっていくまでのお話です。

 

 

少しずつ増えていった「できた」

中学3年生になり、二回目の定期テストを迎えました。

 

今回も本人には、

 

「数学だけでも受けてみよう。」

 

そう伝えました。

 

これまで塾や学校で少しずつ積み重ねてきた数学なら、きっとできる。

 

そんな思いで送り出しました。

 

後日、本人が持ってきてくれた答案には、50点を超える点数が書かれていました。

 

学校へほとんど通えていない中で、テストの日に学校へ行き、自分の力で50点を超える。

 

私は、その答案を見た瞬間、本当に嬉しかったことを今でも覚えています。

 

本人は相変わらず、大きく喜ぶタイプではありません。

 

何か言うわけでもなく、表情が大きく変わるわけでもない。

 

でも、きっと本人の中では嬉しかったんじゃないかな。

 

そんなふうに思えたことも、よく覚えています。

 

この頃から、「できるかもしれない」という感覚が、その子の中に少しずつ育っていたように感じます。

 

そして、その小さな積み重ねは、進路を考えることにもつながっていきました。

 

 

自分に合う場所を探して

少しずつ「できた」が増えていく中で、卒業後の進路についても考える時期になりました。

 

もちろん、最初から高校の話が順調に進んだわけではありません。

 

「将来のことを考えよう。」

 

そんな話をしても、なかなか本人には響きませんでした。

 

だからこそ、「この子にはどんな場所が合うんだろう。」

 

そんなことを考えながら、一緒にいくつかの学校を調べていました。

 

その中で見つけたのが、音楽コースのある通信制高校でした。

 

ピアノが好きだった本人なら、興味を持てるかもしれない。

 

そう思い、本人にも話をすると、

 

「行ってみる。」

 

と、前向きな返事をしてくれました。

 

実際に説明会へ行くと、それまでとは少し様子が違いました。

 

先生の話を楽しそうに聞き、校舎を見学しながら、自然と表情も柔らかくなっていました。

 

この子に合う場所が見つかったのかもしれない。

 

そんなことを感じたのを覚えています。

 

 

一人ではなく、みんなで支える

高校を受験するためには、面接もあります。

 

普段あまり自分の気持ちを言葉にしない本人にとって、面接は決して簡単なものではありませんでした。

 

そこで、学校の先生にも協力をお願いし、面接の練習を重ねることになりました。

 

あっとすくーるだけではありません。

 

学校の先生も一緒になって、その子の進路を支えてくださいました。

 

一人の子どものために、それぞれの立場でできることを持ち寄る。

 

改めて、「支援は一人で行うものではない」ということを実感した出来事でした。

 

 

自分で未来を選び始めた日

初めて出会った頃の彼は、何を考えているのか分からず、自分の気持ちを表に出すこともほとんどありませんでした。

 

でも、一緒に塾へ通い、一緒に学校へ向かい、勉強以外の時間も積み重ねる中で、少しずつ変わっていきました。

 

そして今、自分に合う高校を探し、自分の足で説明会へ行き、受験に向けて準備を進めています。

 

もちろん、不安がなくなったわけではありません。

 

それでも、「自分で進路を選んでみよう。」

 

そんな一歩を踏み出せたことが、何より大きな変化だったように思います。

 

この一年を通して、私は改めて「ひとりに、とことん。」という言葉の意味を考えることになりました。

 

その続きは、次回お話ししたいと思います。

 

 

#4へ続く—

【「ひとりに、とことん。」向き合い続けた1年間 #4「卒業の日に思ったこと。」】

 

 

保護者の皆様へ

 

進路への不安は、子どもだけでなく、保護者の皆様も抱えるものです。

 

私たちは勉強だけでなく、その子に合った進路や環境も一緒に考えながら寄り添います。

 

一人で悩まず、ぜひお気軽にご相談ください。

 

ご寄付をご検討の皆様へ

 

子どもたちが自分の未来を選べるようになるまでには、時間をかけた関わりが欠かせません。

 

皆様からのご寄付は、そうした「ひとりに、とことん。」向き合う時間を支えています。

 

これからも、子どもたちが自分らしい未来を歩めるよう、ご支援をよろしくお願いいたします。