お知らせ
「先生に預けてきたんやけど……」

「宿題、やったんやけど……学校の先生に預けてきてん」
今月に入ってから、いつも明るく真面目なAくんの様子が、少しずつ変わっていきました。
それまでは宿題にも一生懸命取り組んでいたのに、急に提出してくれなくなったのです。
最初は、彼の言葉をそのまま信じようと思いました。
これまで頑張ってきたAくんだから、本当にそうなのだろう、と。
しかし、それが二度、三度と続くと、どうしても「何かおかしい」という違和感が拭えなくなりました。
問い詰めるのは、簡単だった

ここで、
「なんで嘘つくの?」
「ちゃんと出しなさい!」
と問い詰めるのは簡単です。
でも、私たちはあっとすくーるです。
その言葉の裏に、何か言えない事情があるのではないか?
そう考え、私は一度立ち止まりました。
嘘は「困りごと」のサインだった

私は自分一人で抱え込まず、すぐにボランティアの仲間たちに相談しました。
チームで彼の行動を振り返り、本人とも丁寧に話を重ねた結果、意外な事実が見えてきました。
Aくんは、宿題をサボりたくて嘘をついていたのではありませんでした。
実は、渡していたプリントをなくしてしまっていたのです。
「プリントをなくした」と言えば怒られるかもしれない。
「やっていない」と思われたくない。
そんな不安やプライドが、
「先生に預けた」という精一杯の“小さな嘘”になっていました。
「叱る」のではなく、「仕組み」を変える

原因がわかれば、やるべきことはシンプルでした。
彼の人格や嘘を責めるのではなく、
「プリント管理が苦手」という課題に向き合うこと。
そこで私たちは方針を変え、
バラバラになりやすいプリントではなく、
「ノートに宿題をしてきてもらう」
というルールに変更しました。
するとどうでしょう。
あれほど言い訳をしていたAくんが、
毎回きちんとノートで宿題を提出してくれるようになったのです!
Aくんは、何も変わっていません。
変わらず「頑張り屋」のままでした。
ただ、やり方が彼に合っていなかっただけだったのです。
私たちが大切にしていること
〜「できない」を「できる」に変える工夫〜

この出来事は、私にとっても大きな学びになりました。
「もっと早く、宿題の出し方を工夫してあげればよかった」
そんな反省もあります。
でも、この経験は必ず次に活きます。
あっとすくーるでは、次のことを大切にしています。
〇 嘘や行動の「背景」を想像する

子どもが約束を守れないとき、そこには必ず理由がある。
そう考えています。
頭ごなしに否定するのではなく、
「なぜそうなったのか?」を一緒に考える。
その子が出しているSOSのサインを、見逃さないことを大切にしています。
〇 大学生ボランティアも、チームで解決する

もし私一人だったら、
「嘘をついている」という疑いで終わっていたかもしれません。
先輩ボランティアやチームに相談することで、
客観的な視点を取り入れ、
感情ではなく「仕組みの改善」へと動くことができました。
保護者の皆さまへ
お子さんの「言い訳」に、困っていませんか?
「やったけど忘れた」
「なくした」
そんな言葉を聞くと、ついカッとなってしまうこともあると思います。
でも、もしかしたらそれは、
お子さんなりの「困っているサイン」かもしれません。

あっとすくーるでは、
お子さんの性格や特性に合わせて、
宿題のやり方一つから柔軟に、
「その子に合う方法」を一緒に探していきます。
ご寄付をご検討の皆さまへ
皆さまのご支援は、
こうした「子どものつまずきを、丁寧な工夫で乗り越える時間」を支えてくださっています。
マニュアル通りの指導であれば、
プリントをなくした子は「だらしない子」として処理されていたかもしれません。
しかし私たちは、
【その子に合う方法を考える。】
【目に見える事実だけで判断せず、チームで解決する。】
といった一手間を、惜しみません。
子どもたちが
「自分はダメだ」
と自信を失ってしまう前に、手を差し伸べられる場所であり続けるために。
どうか、私たちの活動を応援してください。









