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2025.12.17
「やりたい」と、あの子が初めて言った日。——教科書を開く前に、僕たちがグミを買いに行った理由。

届かない言葉、見えない表情

「本当に分かっているのかな?」 「もしかして、嫌がっているんじゃないかな?」

私が担当することになったAくんは、自己表現がとても苦手な生徒でした。授業をしていても反応が薄く、何を考えているのか掴めない。

正直に言うと、最初は彼との距離の縮め方がわからず、私自身が不安を感じていました。

一般的な塾であれば、「もっとわかりやすく解説しよう」と考えるかもしれません。

でも、私たちは「あっとすくーる」です。

 

「ひとりに、とことん。」

 

このスローガンを胸に、私はまず教科書を閉じ、彼という一人の人間に向き合うことから始めました。

 

 

 

「グミ買いに行こうか」が魔法の言葉になった

どうすれば彼と心を通わせられるか。代表の渡に相談した時、返ってきたのは意外なアドバイスでした。

 

「Aくんはグミが好きらしいよ。最近はポケモンのゲームにはまってるみたいだ」

 

その日から、私たちの授業は少し変わりました。

授業の前に少しだけ一緒にゲームをする。そして授業が終わったら、二人で近くのコンビニへ「グミ」を買いに行く。
教室内だと、周りの目を気にして話しにくいことも、コンビニへの道中という「二人だけの空間」では、彼は一人の少年として、ポツリポツリと本音を話してくれるようになりました。

ゲームで笑い合い、グミを食べながら雑談をする。

そうやって築いた「信頼」という土台があって初めて、彼は私の言葉を真っ直ぐ受け止めてくれるようになったのです。

結果、英語の成績も右肩上がりに伸びていきました。

 

 

 

点数よりも嬉しかった「意志」

ある日、保護者の方から「家計が厳しく、成果も見えにくいので辞めたい」という相談がありました。 昨今の物価高、ひとり親家庭の厳しい現実。

私は自分を責めましたが、最終的にAくん本人に意志を確認した時、普段無口な彼が、真っ直ぐな目でこう言ったのです。

 

「続けたい。やりたい。」

 

あんなに反応が薄かった彼が、自分の意志で「ここがいい」と選んでくれた。

それは、私たちが積み重ねてきた「グミの時間」や「向き合ってきた日々」が、彼にとってのかけがえのない居場所になっていたことの証明でした。

 

 

 

【私たちが大切にしていること】

 

「遠回り」に見える時間こそが、子どもを変える最短ルート

 

あっとすくーるが現場で徹底しているのは、

「勉強を教える前に、その子の『心』の居場所を作る」ということです。

 

 

 

教科書よりも、まずは「信頼」から

勉強以外の関わり、雑談や共有体験を通して、「この人は自分を否定しない」という土台を作ること。

信頼関係という土台さえできれば、子どもは自然と前を向き、結果として学力も伸びていきます。

 

 

 

ボランティア大学生も、子どもも「ひとりにしない」チーム戦

 

私たちは、一人の子どものために、担当者、職員、代表、時には学校の先生とも連携し、チーム全体でその子の成長を見守ります。

「誰も助けてくれない」という孤独を、子どもにも、そして支える大人にも感じさせない。それが私たちの強さです。

 

 

 

その子の「意志」が芽生えるまで、とことん関わる。

大人が答えを押し付けるのではなく、子ども自身が「やりたい」「頑張りたい」と思えるタイミングが来るまで、とことん付き合い、待ち続ける。

その「待つ時間」こそが、

 

「どんな家に生まれても子どもが自分の人生を歩むために必要な、かけがえのないコストだ」

 

と私たちは信じています。

 

 

 

保護者の皆様へ

 

「勉強が大嫌い」「全くやる気がない」 どんな状態のお子さんでも、どうか遠慮なくご相談ください。

私たちは「素直な子」「勉強ができる子」だけを伸ばす場所ではありません。

どんなお子さんであっても、私たちは決して見放しません。 お子さんが自分から顔を上げるその日まで、私たちがとことん寄り添う「最強の味方」になります。

まずは、ありのままのお子さんの姿で、私たちに会わせてください。

 

 

 

ご寄付をご検討の皆様へ

 

皆様の支援は、この「一見遠回りに見える関わり」を支えています。

効率を度外視してでも「ひとりを大切にする」という私たちの理念。

皆様のご寄付は、孤独を抱える子どもの心を溶かし、「自分の人生を諦めない力」を育む時間に変わっています。

これからも、子どもたちが自分の意志で未来を選べる社会を作るために、私たちの「とことん」付き合う活動に、力を貸してください。