お知らせ
3月といえば、やっぱり卒業式ですよね。
「高校生活も頑張ってね!」
など、4月からの新生活に向けて送り出すような言葉が多く飛び交うこの季節に、季節外れの「おかえり」を言った話を今日は書こうと思います。
コロナが狂わせた日常
2年前、突然の臨時休校によって約2ヶ月ほど学校がない時期がありました。
僕らもまだコロナの実態が掴めなかったので、授業を完全にオンラインに切り替えて対応していた時期です。
その時期に、下り坂を転げ落ちていくかのように、状態が悪化していった生徒がいました。
対面での接触ができないから、保護者さんや学校の先生からその子の話は聞くけれども、何もできない。
大事に至らないことだけを願う日々でしたが、その願いも虚しく、その子は箕面を離れ、児童自立支援施設に入ることになりました。
忘れられるのが怖いとその子は言った
箕面を離れることが決まり、最後に挨拶をしたいからと塾まで会いに来てくれました。
数ヶ月ぶりに出会ったその子の雰囲気は全然違っていました。
僕は一時期その子の授業を持っていたことがあるのですが、その当時は小学校から中学校に上がったばかりで、まだあどけなさも残る、とにかく明るい子でした。
ONE OK ROCKが好きな子だったので、授業の最初は今日の気分に合う一曲を聞いてから授業を始めていたなぁ。
いい意味で「子ども感」のある子だったのですが、久しぶりにあったその子からはその「子ども感」は消え、見た目も服装も全然変わっていて、当時の明るさが嘘みたいに暗い表情。
本当に胸が痛みました。
その時にその子が言ったのが「箕面を離れて、次に帰ってくるときはもう中学を卒業するタイミングで、みんなが自分のことを忘れちゃうんじゃないかと思うと怖い」という言葉でした。
絶対に忘れないからね、という言葉と、帰ってくるのを待ってるからねという言葉を伝えて、その場はお別れしました。
2年ぶりの「おかえり」
そしてつい最近、ご家庭の事情で箕面にではなかったんですが、その子は帰ってきました。
まだ直接会うことはできていませんが、この間電話で話をして、その時に「おかえり」と伝えることができました。
春からは高校生として新生活を送ります。
一時期は見失いかけた夢に向かって、もう一度頑張るそうです。
ひと段落着いたら、久しぶりに会いに行ってみようと思います^^
あっとすくーる理事長
渡 剛