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2021.2.2
母子家庭の高校進学を支えてくれる私立高校授業料実質無償化とは?

皆さんご存知でしたか?高等学校等就学支援金(返還不要の授業料支援)の制度が令和2年4月に改正されました。

 

これにより私立高校等に通う生徒への支援が手厚くなり、一部の私立高校等においては「授業料の実質無償化」が実現しました。

 

今回はこの制度について紹介していきます。

 

改正された高等学校等就学支援金とは?

 

(出典:文部科学省)

 

制度の概要

 

高等学校等就学支援金制度は、家庭の教育費負担の軽減を図るための国による授業料支援の仕組みです。現在全国8割の生徒が利用しています。

 

この支援金によってこれまで「公立高校の授業料の無償化」は実現していたのですが、今回の制度改正によって一部の私立高校でも授業料の無償化が実現しました。

 

上の画像にもある通り、年収590万円未満の世帯(両親、高校生、中学生の4人家族で両親の一方が働いてる場合)で年間の授業料が396,000円未満の学校であれば授業料の負担は0になります。

 

大阪府の場合

 

また私たちあっとすくーるの本拠地がある大阪府では、「私立高等学校等授業料支援補助金制度」という府独自の制度があります。

 

国の制度である「高等学校等就学支援金制度」と府の制度である「私立高等学校等授業料支援補助金制度」を組み合わせれば、年収590万円未満の世帯だと授業料が650,000円まで自己負担0で通うことができるようになります。

 

(出典:大阪府)

 

加えて年収590万円〜年収800万円未満でも、世帯の子どもの人数が3人以上であれば自己負担0になります。

 

平均年間収入が200万円台である母子家庭の多くがこの条件を満たしていると考えられ、私立高校においても授業料が実質無償化になります。

 

対象の要件

 

国の高等学校等就学支援金制度の場合

 

高校等(高専、高等専修学校等を含む)に在学する、日本国内に住所を有する方が対象となっています。

 

ただし、次のいずれかに該当する方は対象となりません。

 

①保護者等の所得について、以下の算定式のより計算した額が304,200円以上の方(年収目安約910万円以上の方)

 

<算定式>

課税標準額(課税所得額)×6%-市町村民税の調整控除の額

 

(出典:文部科学省)

 

②高校等(修業年限が3年未満のものを除く)を卒業又は修了した方

 

③高校等に在学した期間が通算して36月(定時制・通信制等の場合は別途算定)を超えた方

 

大阪府の「私立高等学校等授業料支援補助金制度」の場合

 

①国の就学支援金を受給していること

 

②受給する年度の10月1日に、生徒と保護者全員が大阪府内に在住していること

 

③受給する年度の10月1日に「就学支援推進校(※)」に在籍していること

 

④保護者全員の所得の合算が基準額未満であること

 

※「私立高等学校等授業料支援補助金制度」の対象となる高校のことです。就学支援推進校に進学しなければ、上記の本人の要件を満たしていたとしてもサポートが適用されません。

 

進学を希望する高校が就学支援推進校かどうかは大阪府のホームページでご確認ください。

 

支援金の支給方法

 

国の就学支援金も大阪府の授業料支援補助金も学校に直接振り込まれます。生徒や保護者の方が直接受け取るわけではないので、ご注意ください。

 

留意点

 

支援の対象となる場合でも、授業料を一旦納付していただく必要がある場合があります。一時的な授業料の納付が困難な場合は、学校へご相談ください。

 

また就学支援金はおよそ3ヶ月ごと、授業料支援補助金は秋頃に1年分を一括して大阪府から学校へ振り込まれます。一旦振り込んだ授業料が返還されるのは学校によって異なりますので、詳細は学校へご確認ください。

 

ちなみに私立高校によっては授業料を一旦納付する必要がない高校もあります。

 

申請の手続き

 

国の就学支援金制度の場合

 

必要な書類は以下の通りです。

 

(出典:文部科学省)

 

画像下部に記載してある通り、DV等でマイナンバーの提出が困難と考えられる場合は必ず学校等にご相談ください。

 

それから申請時期は新入生か在校生かによって変わります。

 

◆新入生

入学時の4月など手続きが必要な時期に学校から案内があります。

 

◆在校生

収入状況の届出を行う7月ごろに学校から案内があります。

 

大阪府の授業料支援補助金の場合

 

必要な書類は以下の通りです。

 

①授業料支援申請書(大阪府内に住所を有している生徒に対して学校から配布されます。)

 

②その他学校から案内のあった書類

 

授業料支援補助金における所得確認は、就学支援金の判定結果を利用して行います。したがって、授業料支援補助金の申請のために、マイナンバーカードの写しや課税証明書等の所得判定に係る書類を改めて提出する必要はありません。

 

私立高校無償化の意義

 

 

私たちは普段主にひとり親家庭の子どもたちへの学習支援を行っていますが、「お金がないからなんとか公立に・・・」と思われている保護者の方々とたくさん出会ってきました。

 

一方で大阪府の公立高校の入試は3年間の内申点+5教科のテストと、積み重ねが大事になっています。そのため「お金がないから中学3年の1年間だけ塾に通わせよう」では乗り切ることが難しいです。

 

経済的に苦しい状況にある母子家庭にとって私立高校への進学はハードルが高かったのですが、今回の私立高校の実質無償化によって、進路の選択肢は大きく広がったと考えます。

 

「高校生等奨学給付金」などの既存の公的な制度や、高校生も対象となる民間の制度をうまく組み合わせて活用することができればさらに負担を軽減することができます。

 

個人的に思うのは、その子が一番進学したい高校が私立の高校だったときに「お金がないから諦めなさい」と言わなくていい、言われなくていいというのは本当に大きなことだと思います。

 

私立の高校に通うというのは、もしかしたら贅沢なことかもしれません。頑張って公立に行きなさいというのも、大事なことかもしれません。

 

でもその子の夢や目標を「贅沢だ」「我慢しろ」という言葉で押さえつける社会は、僕は嫌なんですね。

 

一人でも多くの子どもたちが自分の夢や目標を諦めずに追いかけていけるようになるという点で、この制度は非常に大きな意義があると感じています。

 

大学無償化の制度含め、ここ数年で進学における費用面のサポートは間違いなく手厚くなっています。

 

ぜひ一人でも多くのひとり親家庭の方に活用していただきたいです!

 

さいごに

 

 

私たちあっとすくーるが運営する学習塾「渡塾」では、こうした各種制度・奨学金等の情報提供も行うなど様々な側面からひとり親家庭の子どもたちの進学をサポートしています。

 

勉強のことやこうした費用のことはもちろん、「自分が仕事で余裕がないから進路について親身になって子どもと考えてくれる人が欲しい」というリクエストにもお答えできますし、ひとり親家庭特有の不安にも寄り添ってサポートをさせていただきます。

 

「この記事を見て問い合わせた」と言っていただければ、入塾時にかかる入塾金10,000円を免除させていただくキャンペーンを行っております。

 

ぜひこの機会に渡塾をご利用ください!

 

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電話:072-702-0020(火曜〜金曜 13:00〜21:00)